ガーネットのような美しさのぶどう品種・シラー

各ブドウについて

Budou

公開日：2024.10.23

シラーというのは、フランスのコート・デュ・ローヌ地方での栽培が盛んな赤ワイン用ぶどう品種です。美しい色合いがガーネットのようだと評されますが、どのような特徴があって、どのような味わいのワインが楽しめるのでしょうか。

シラーとは

シラーというのは、フランスのコート・デュ・ローヌ地方で多く栽培されている赤ワイン用の黒ぶどう品種です。派生形にシラーズと呼ばれる品種がありますが、こちらはオーストラリアで栽培が盛んな品種となり、シラーとは味わいが大きく異なります。ただ、シラーは温暖な気候を好み比較的栽培がしやすいため、ほかにもスペインや南米のチリ、アルゼンチンといった生産地もよく知られています。ぶどうの実は小粒で皮が厚く、ほかの赤ワイン用ぶどうに比べて色が青みがかっているのが特徴です。香りはブラックチェリーやプラムに似ているほか、黒コショウやユーカリといったちょっとスパイシーで独自性のある香りを持つのがユニークな点でしょう。

シラーの特徴は？

シラーは独特のスパイシーな風味に、好き嫌いが出やすい品種です。生産地によっても作られるワインにはかなり違いがありますが、シラーの持つ個性が色濃く出るため、シラー主体のワインは最初は苦手意識を持たれることもあります。ただ、黒いベリーを思わせる果実味や深いタンニンの複雑な味わいに気づくと、そのポテンシャルにのめり込む愛好者も少なくありません。特に、長く熟成させることができる品種のため、一口飲めばシラーだとわかるほど、強い個性を持つ赤ワインに育つことができます。また、クセのあるスパイシーさを抑えるため、原産地であるフランスのローヌ地方北部では、少し白ぶどうを混ぜ、アロマの高いエレガントな赤ワインも造られています。特に世界的に有名になった「エルミタージュ」「コート・ロティ」は、こうして長熟されたシラーの高品質ワインです。

シラーで作られたワインの味わいは？

シラーを主体としたワインと一口に言っても、生産国や生産地によって味わいには大きな違いがあります。最もオーソドックスなローヌ地方のシラーの赤ワインは、香りを嗅いだだけで黒コショウのようなスパイスを強く感じるものも少なくありません。パンチの効いた赤ワインを楽しみたい時にはもってこいですが、やはり合うのは同じくスパイシーな味付けをしたメインの肉料理でしょう。北部ローヌでは仔羊のローストが抜群のマリアージュとされており、シラーの赤ワインの定番の組み合わせとなっています。

まとめ

シラーは、フランスのコート・デュ・ローヌ北部では、高品質の赤ワインを造り出すぶどう品種として有名です。優れたワインは高級で、なかなかデイリーに楽しめる価格ではありませんが、もっと気軽に楽しめるクオリティの高いワインもたくさん造られています。黒コショウのような独特のスパイシーさが苦手に感じてしまう人もいますが、飲み慣れると複雑な味わいに奥深さを感じられるでしょう。

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